マウスピース矯正

◆◆マウスピース矯正にご興味を持たれた方に注意して頂きたいこと◆◆

『マウスピース矯正は、手軽な矯正治療法』という方がいるとすれば、それは軽い症状にしか使わないため、あるいは、唇側矯正（表側からの矯正）と同等の高いレベルの仕上がりを目指していないか、のどちらかだと思われます。

マウスピース矯正（インビザライン・薬機法対象外）は、マウスピース矯正に関するノウハウ（専門的技術・知識）を身に着けて、初めて使いこなせる、扱いが難しい矯正治療法のひとつです。『手軽で簡単な治療ではない』ことをご理解ください。

【注意】当院では、初診相談時に簡易シミュレーションソフト（アウトカム・シミュレーター）を用いて、治療のゴール（どのような歯並びになるのかを予測した画像）を作成し、患者さんへご提示すようようなサービスは行っておりません。

その理由は、パッと見だけでの判断で作ったシミュレーションは『絵にかいた餅』になってしまう可能性があるからです。通常、患者さんの主訴（何が気になり、治したいのか）、問診等を念頭におきながら、精密検査を行い、細かなデータを収集し、熟考した上で、治療目標を設定する必要があります。

細かな診断分析を行わずにして、製作したシミュレーションをお見せすることは、単に過大な期待を持たせてしまう恐れがあるからです。それゆえ、現在のことろ初診相談時の安易なシミュレーションのご提示は、当院では行っておりません。

ちなみに、2期治療開始の患者さんの診断説明時（ワイヤー矯正、ﾏｳｽﾋﾟｰｽ型矯正どちらも）には、矯正分析を行った上で、簡易デジタル・シミュレーション（アウトカム・シミュレーター）または、アナログ・シミュレーション（セットアップ模型）をおみせして、ご説明しております。

◆◆アライナー（マウスピース）『一枚一枚確認』の重要性

◆アライナーは海外の製造工場から空輸されてきます。そして、当院に到着した何十枚ものアライナーを、インビザライン治療に普段たずさわっている歯科衛生士がていねいに『一枚、一枚確認』を行ない、欠陥がないか肉眼で確認します。問題のないことを確認した上で、患者さんにご予約のご連絡をして治療開始となります。

◆このようなアライナーの不良の確認をせずに、治療を進めた場合の問題点としてあげらるのは、歯の移動がシミュレーション通り（計画通り）進んでいない時の原因がはっきりしないということです

ちなみに、計画通り歯が移動していない原因として、次の4つが考えられます。

１）患者さんの使用法、使用時間に問題があった

２）患者さんの生体的問題や習癖（歯ぎしり、舌癖、骨密度・骨代謝など）

３）治療計画の問題（移動様式、ｱﾀｯﾁﾒﾝﾄの形状・位置、ゴムの使用法）

4）アライナー（ﾏｳｽﾋﾟｰｽ）の不良

◆それらが複合的に生じて計画通り治療が進まないことがあります。その原因を限りなくゼロに近づけなければなりません。当院ではその1つの取り組みとして『アライナーの不良・欠陥の確認』を行っております。不良・欠陥の有無の確認は、インビザライン導入（2011年～）から継続している作業です。

時間と手間がかかる地道な作業ですが、とばすことができない作業のひとつです。最近は欠陥品／不良品が少なくなってきていますが、ゼロにはなりません。インビザライン治療を計画通り進めるためには、アライナー（マウスピース）の一枚一枚の確認が必要不可欠と考えており、現在も実行しております。ちなみに、当院の熟練の歯科衛生士が確認したとしても、肉眼ではチェックしきれない、実際装着してみないと（つけてみないと）わからない製造上のエラーというのもは存在します。